進出企業紹介

Interview

進出企業紹介

インタビュー

日本盾安国際株式会社

大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー 2016.03.28
日本盾安国際株式会社
大阪へ進出して2年。現在は全国に事業拡大中。
日本盾安国際株式会社
代表取締役
肖 麟 氏
Q盾安集団についてご紹介ください。

弊社は、28年前に中国の浙江省諸曁市で設立されました。最初は小さなスプリング工場でした。スプリングを生産する工場がスタートでした。
その後、1990年代の初めに、中国の空調製品の部品を扱うようになりました。2003年頃だったと思いますが、中国深圳の証券取引所に上場しました。2014年の時点で、弊社の販売総額は507億人民元、約9,600億円となります。
傘下に87の子会社があり、六つの産業に分かれています。まず我々の製造業ですが、部品や機械設備の製造を行っています。そして化学工業として、爆薬、民用の爆薬を生産しています。また弊社では近代化農業、有機農業もやっています。さらに、新エネルギー産業として、風力発電、太陽エネルギー発電があります。最後に投資の分野、つまり投資会社もやっています。盾安環境と先ほど述べた化学工業会社には、この投資会社が投資しています。

Q肖社長ご自身について自己紹介をお願いします。

私は、1998年に留学のため来日しました。日本語を勉強した後、大阪大学に入り、卒業してから地元の空調企業に就職しました。これまでずっと空調業界で働いています。今の仕事は私の本業です。ずっとこの業界に携わってきました。
盾安は空調製品を製造している企業で、初期に出会った企業です。中国の展示会、空調の展示会で、盾安環境のトップと出会ったんです。ただ、その際は、特に具体的な仕事上の関係はありませんでした。その後、盾安が日本で法人を立ち上げるという時に、日本で一定の業務経験を持ち、業界を比較的良く知り、中国と日本の両方の文化を良く知る人材、会社を任せられる人材が必要となり、それで私のことを思い出したというわけです。こうして盾安に入ることになったんです。

Q日本進出の経緯を教えてください。

日本盾安の設立の目的は主に三つあります。一つは弊社製品の日本市場でのシェアを拡大すること。二つ目は、顧客により良いサービスを提供すること。三番目は、日本で弊社と提携する優れたパートナーと人材を確保することです。これが日本で会社を設立した主な目的です。

Qなぜ大阪を選んだのですか?

大阪を選んだのには三つの理由があります。まず、私が大阪におり、大阪を比較的良く知っていたということです。次に、日本を西と東に分けると、大阪は西日本の中心地だからです。そして、大阪の周辺に我々の重要な顧客がいたということです。ダイキン工業、パナソニック、そしてシャープです。
大阪という地の商業習慣は、私が個人的に思うのですが、ビジネス上の国際基準に一層近いと感じています。他の要素の影響を受けません。個人的には大阪は大都市の風格を最も備えていると思います。それで、大阪で会社を設立する際、運営コストや人材コストの面で、東京よりも魅力的に感じました。これが大阪を選んだ主な目的、理由です。

Qこれまでの業務をどのように評価されていますか?

弊社は2014年5月に設立されましたので、まもなく2年になろうとするところです。この2年間で、基本的に当初達成しようと計画していた目標には達しました。一つは市場シェアの向上です。具体的に申しますと、工場の出荷量が向上したことと、製品の種類の飛躍です。ですから、弊社が当初、大阪を選び、そこから全日本に展開するというこの方針は、基本的に予期した効果を上げたことになります。
日本盾安の本社は大阪にありますが、去年の4月に静岡に営業所を設立しました。静岡県内の顧客業務がその主な仕事です。そこでの業務が好調でしたので、今年の4月に静岡の営業所の業務を拡大し、人員も増やして、東日本への影響力を拡大していこうと考えているんです。

Q日本の顧客との関係はどのように変化しましたか?

以前から、弊社の製品は、他のビジネスルートで日本に入っていました。しかし顧客と直接接触しなかったため、技術面でも、アフターサービスでも、また、顧客のニーズの把握においても、不備な点が多くありました。日本法人が設立され、顧客により丁寧なサービスができるようになりました。いわばかゆい所にまで手が届くようになり、顧客の満足度も向上しました。弊社の新製品開発は、長年の間、不完全でしたが、日本法人の設立後、顧客のために開発した新製品は52件あります。来年には、日本法人の業績は引き続き飛躍的に向上するはずです。

Q今後の展望をお聞かせください。

空調部品は、弊社発祥の製品で、これにより弊社は発展してきました。これは世界の市場シェアが最も高い主力製品です。我々は空調部品業界では世界でも最大規模の企業です。この業務にずっとこだわり続け、業績も上がっています。この業種では安定しています。会社の戦略としては、ずっと拡大を続け、留まるところを知りません。
我々は他の業務への拡大も行っており、今後、二つの分野を視野に入れています。将来の5カ年計画としては、一つは新エネルギーの自動車業界、例えば電動自動車、PHVの自動車があります。熱システムが関係してくる分野です。新たな業種に進出するつもりです。もう一つの分野は、ロボット産業です。今、日本だけでなく、中国も人件費が高騰し、ロボットによる代替労働力が必要になっています。
この二つの産業は、当初我々が空調部品産業に参入しようとした時と同様、大きな潜在力を持つ市場です。市場の成長に伴い、我々のこの二つの産業も、空調部品産業と同じように拡大と発展を遂げ、世界有数の企業となることを願っています。

Qこの2つの新産業発展において、日本法人はどんな役割を果たすでしょうか?

開拓という役割です。この二つの産業について、私達が初期段階から正しい方向性を策定し、適切な提携パートナーを見つけ、新市場のための下地を作ることができれば、後期の発展において有利な基盤を確立することができると考えています。このような意味で、二つの新たな産業の発展のため、我々日本の会社は重責を担い、これからの長い道のりを歩んでいく必要があります。

QO-BICからの支援はいかがでしたか?

国外から来て日本で会社を設立する時に、現地の団体や機関が設立を助けてくださると、設立の効率が大きく高まると感じています。O-BICがそうした例ですが、政府が日本への進出をサポートしてくださるならば、とても大きな助け、特に前期の設立の時期に大きな助けとなります。

Q大阪進出を考えている外国企業にメッセージをお願いします。

まず、O-BICが、弊社の前期における会社設立の時期に援助してくださったことに感謝いたします。これを一つの事例として、今後、さらに多くの外国企業が大阪に来て、大阪の産業振興と発展に貢献することを願っています。ありがとうございました。

中国語はこちらをご覧ください。(PDF:129KB)

日本盾安国際株式会社
設立 2014年5月
本拠地 中国(浙江省諸曁市)
親会社 浙江盾安人工環境股份有限公司
事業内容 冷媒配管部品及び自動制御機器の製造販売
URL http://www.dunan.jp/