進出企業紹介
インタビュー
AntiCancer Japan株式会社
大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー
代表取締役
Q米国アンチキャンサー社の概要について教えてください
カリフォルニア大学・サンディエゴ校医学部教授であるロバート・ホフマンが、1984年にアメリカ・カリフォルニア州・サンディエゴに設立した、抗癌剤および診断薬の研究・開発・販売を目的としたバイオ・ベンチャーです。
Q日本法人「AntiCancer Japan株式会社」設立の経緯を教えてください
2005年9月、大阪府茨木市の彩都バイオインキュベータに入居が決定しました。米国本社では従来から日本での活動を重視してきましたが、日本のバイオテクノロジーおよび医薬品市場の将来性を考え、2006年11月27日付けでAntiCancer Japan(アンチキャンサー・ジャパン)株式会社を設立し、本格的に事業を開始することとなりました。
2007年4月には、インキュベータ内にP2レベルの研究施設を建設し、当社の独自技術である『蛍光タンパク[緑色蛍光タンパク(GFP)や赤色蛍光タンパク(RFP)]を使った小動物によるin vivoイメージング』の研究・開発・協同研究と小動物モデルの展示を行うラボ(AntiCancer Japan Inc. Molecular Imaging Lab.)を開設しました。
QAntiCancer Japan株式会社の事業概要について教えてください
事業概要は次のとおりとなっています。
- 蛍光タンパクで標識したヒト癌転移モデルマウスによる抗がん剤評価の受託研究・協同研究および同技術のライセンス供与
- がんの画像化技術の研究開発および協同研究
- 光学画像診断装置の開発、製造および販売
- 抗がん剤研究用および実験用トランスジェニック・マウスの研究、開発、販売およびライセンスの供与
- バイオテクノロジー関連の研究開発および協同研究
- 前記各号に関する一切の業務
また、米国アンチキャンサー社で開発したHDRAと我々が呼んでいる癌患者の治療に最適な抗癌剤をin vitroで判定する方法は、『みらかホールディングス株式会社』に技術供与され実施されています。
一方、蛍光タンパクを使って癌細胞や正常細胞を標識し、癌の増殖・転移、その他の生体の変化を生きたマウスで体外から観察・研究できるin vivoイメージング技術は、『エーザイ株式会社』と『協和発酵工業株式会社』に技術供与され研究に使用されています。
Q彩都に入居されてお感じになっているメリットとは?
彩都ではバイオ分野の研究施設の集積を目指して環境整備が進められており、実験動物を扱うP2レベルの研究施設を建設するのに相応しいロケーションと判断しております。加えて施設自体が綺麗で清潔なことも利点の一つですね。 また、米国本社では受託研究が主体ですが、日本では大学、公的研究機関や製薬会社とのコラボレーションが重要と考えており、彩都は大阪大学や京都大学が近くに位置していることから、非常に便利であると感じています。
また、彩都バイオインキュベータに入居したことでバイオ関連の入居企業同士のネットワークができたこともメリットの一つと言えます。こうしたことから、現在ではアメリカ本社も大阪への進出を高く評価しております。
Q今後大阪でどのようにビジネスを展開されますでしょうか
現在は、蛍光たんぱくを使ったin vivoイメージングのライセンス提供、及び関連測定機器の販売を行っています。今後は、測定機器(ハード)だけではなく、蛍光タンパク(GFPや RFP)で標識した癌細胞(ソフト)の提供を組み合わせ、in vivoイメージング技術を研究開発に活用して頂けるよう、ハードとソフトの両面から大学や医薬品関連企業等に働きかけていく予定です。
In vivoイメージングについては、将に"Seeing is believing"であり、実物をご覧頂くことが最も重要であると考えております。製薬企業や研究機関の皆様におかれましては、ショールームとしての機能を併せ持つラボ(Molecular Imaging Lab)に是非お越し頂きたいと思います。