進出企業紹介
インタビュー
ナショナルオーストラリア銀行
大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー 2009.12.10
マネージング・パートナー
Q大阪・関西の印象は?
1996年に名古屋から神戸に引っ越して、それから大阪ビジネスパークのほうで総領事として働きました。神戸と大阪両方を経験しました。例えば一番強い印象として、関西では商売がしやすいと感じました。なぜしやすいかと言えば、特に東京と比べると、イエス、ノーをはっきり早く教えてくれる。東京の場合はどっちかがいまだにわからないんです。これはたまに微妙ですよね。あとは、判断にすごく時間がかかるんです。でも、関西の場合は、もし興味があったらオーケーやりますと、興味がなければやりませんと。そういうのはビジネスの面ですごく効果的なアプローチであると思いました。
あと、関西の場合には、雰囲気としてエンジョイするという雰囲気もあるんです。例えば、仕事は仕事ですけれども、いい料理やパーティーを用意するとかそういう雰囲気づくりが上手だと思うんです。ヨーロッパの南のラテン、ギリシャとかスペインとかイタリアとかの雰囲気に近いと感じました。東京は多分ヨーロッパの北のほう、公式とかかたいとかそういう雰囲気です。でも、関西のほうはやわらかくて商売がしやすいとか楽しいとか、そういうことを感じました。
あと、大阪の経済のことを考えてみれば、なかなか大きい強いポテンシャリティーがあると思うんです。もちろん、バブルの後、1995年の神戸の地震に遭っていますのでいろいろ経済面で難しいことがあったんですけれども、また今でも世界レベルで経済のほうがまだ難しいということがあるんですけれども、根本的には関西の強さはあるから、これから伸びてまた前と同じように強くなるのではないかと思うんです。例えば人口の面でも会社の面でも、強い基盤ができたと思うんです。もう少し時間がかかるかもしれないんですけれども、いつかやっぱりまた強くなるのではないかと思います。
Q大阪での今後の戦略は?
今、我々は大阪のビジネスにおいて、まず富裕層向きのリテール・プライベート・バンキングに集中しています。ただ、これから中小企業向けの融資とか新しいビジネスを構築する予定があるんです。9割ぐらいの大阪、関西の企業が中小企業です。ですので、これは結構大きなマーケットであると思います。また特に日本とオーストラリアの貿易の面を考えてみればいろいろな交流があるんです。この交流はほとんど2グループに分けられます。1つはエネルギー関係です、石炭とか鉄鉱石とか。あともう1つはいろいろな商品、食品とか家具とかITとかサービスとか、ほんとうにいろいろあります。関西電力とか大阪ガスとか大手の資源関係の交流もありますが、中小企業の交流もあるんです。ですので、我々は中小企業レベルもこれから見ていきます。
Q世界同時不況以降対日投資はどのように展開していくでしょうか?
日本の経済の強さとか人口のことを考えると、日本は進んでいる社会です。法律もあるし、システムもできたし、信用もできるし、そういう意味ではほかの国と比べれば魅力はたくさんあると思うんです。
リーマンショックは世界中どこでも影響があったんです。そして、動きにくい期間があったんです。でも、これからは前より動きやすくなるんです。例として、TOLLというオーストラリアの会社が最近日本のフットワークエクスプレスという大きな企業を買いました。ほんとうについ最近です。このようなケースがいいと思うんです。ほかの外国の会社もこういう例を見たらまた日本の魅力を思い出しますよ。これからこういうケースはもっと見られると思うんです。オーストラリアドルが強くなったし、日本の経済にこれから期待していますから。
TOLLはオーストラリアではちょっと大きい会社です。皆さんもよく知っています。多分、オーストラリアではフットワークエクスプレスって聞いたことないんですけれども、オーストラリアの企業で外国のほうに投資した企業はそんなにたくさんいないんです。でも、今回TOLLは日本、大阪でこういう投資をしました。これはやっぱり見本としていい例であると思います。
このインタビューは大阪商工会議所の発行する「大商ニュース」の取材と併せて行われたものです。
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ナショナル オーストラリア銀行 東京支店 大阪出張所 | |
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代表者 | 松田 昇 |
設立 | 2009年 |
URL | https://www.nab.com.au/corporate/global-relationships/japan-jp |