進出企業紹介

Interview

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インタビュー

プロロジス

大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー 2010.01.19
プロロジス
大阪は物流拠点として非常に魅力的
プロロジス
プレジデント兼CEO
山田 御酒 氏
  • 設立: 1991年
  • 本社: 米国コロラド州デンバー
  • 形態: 物流施設専門の不動産開発会社
  • 事業内容:
    グローバルネットワークを有し、北米・ヨーロッパ・アジアの主要都市で物流施設を開発・所有・運営管理
Q大阪への進出はいつごろでしたか?その決め手は?

日本への進出は1999年なのですが、その後、日本でも私どものアメリカやヨーロッパで展開している事業が成り立つかどうかということで2年ほどマーケットリサーチをやって、実際事業を開始したのは2001年です。第1号案件は東京でしたが、大阪へは2003年に進出いたしました。

不動産開発会社といえども物流施設専門ですので、(物流拠点の)ネットワークを持つことが非常に重要なのです。私どものお客様が東京のみに拠点をお持ちになったのではご商売にならないわけです。物を運んで初めて物流業が成り立つわけですから、関東に1つ施設があれば必ず関西にも必要、あるいは九州にも必要、北海道にも必要と、全国に展開をされていくわけです。我々は、まず最初に東京の拠点を開発しましたけれども、次は必ず大阪(関西)に拠点を置く、それから順次広げていこうということですね。

Qこれまでの事業をどのように評価されていますか?

2008年の後半にいろんなことがありまして今に至っているわけですけども、実は2001年に私どもが日本で事業を始めたときはまさにこのような状況だったんですよ。どの企業さんも設備投資をされない、ましてや不動産開発なんてとんでもない時代だったんですね。そのころに我々が日本に進出してきましたので、土地の取得が非常に簡単だったのですね。競争者もほとんどいなかったんですよ。もう1つは、不景気という意味では2001年も同様でしたから、建設コストが非常に安かったですね。ですから、不動産事業という観点から見ると、非常にいいタイミングで事業をスタートすることができたのです。

その後、ご存じのとおり、2年目~5年目とずっとよくなってまいりまして、私どもの物流施設の賃貸業というものがだんだん認知されるようになってまいりました。幸運なことに、日本を代表する物流企業の皆様に私どもの施設をお使いいただいたことによって、さらに認知度が高まったということですね。比較的短い期間でしたが、7~8年ぐらいの間に、総資産でいくと6,000~7,000億円ぐらいの投資を日本ですることができました。ですから、2008年の後半までは非常に順調であったいうことが言えると思いますね。

ただその後、去年1年間は非常に厳しい状況でしたけれども、我々としては過去開発した施設をきちんと稼働させていくことに1年間集中しておりました。今になってみると、(階段の)踊り場的な場面で、新規の施設開発はほとんど止めておりましたけども、後ろを振り返っていろんなものを整備していくという意味では、かえって非常に有意義な1年間でした。

Q物流拠点としての大阪の優位性は?

業態や扱う商品によっても違うのですが、通常、日本の中に拠点を1つ置くとすれば、もちろん商品によって違うので一般的な話はなかなか難しいのですが、やはり最大の消費地の近くに置くというのが普通の考え方なんですね。あとは、輸入あるいは輸出をする場合ということを考えますと、物流施設も港に近いところや空港に近いところ、それから今申し上げたように消費地に近いところ、ここ3つを全部兼ね備えたところが一番よい拠点となるわけですね。

そういう意味では、東京でいえば東京湾の周辺、東からいえば千葉からずっと東京を過ぎて神奈川までのエリアです。関西でいえば大阪の南、関空のあるあたりの周囲からずっと湾岸に上がっていって、いわゆる西神と言われる西の神戸のほうまで、その辺が一番集積度が高いはずなんですね。

ただ、海だけから来る荷物だけでもないので、やっぱり消費地の近くという意味では、関西でいえば北摂と言われる地域ですね。私は関西のことはそんなに詳しくないですが、例えば茨木とか高槻とかそういったエリア、その辺が物流の拠点としては一番魅力的な場所である、戦略的な場所であると言われています。

Q今、特に注目されている大阪湾・ベイエリアについてどういう展望・期待をお持ちですか?

大阪は、私どもの理解ではやっぱりアジアへの窓口、というイメージが非常に強いですね。ですから、東京はどちらかというと北米というか太平洋航路のイメージです。大阪はもちろん西日本全体をカバーするわけですけども、私の勝手な思いもありますが、今後10年~20年ぐらいは中国を含めた東アジアが世界の経済を牽引していくのだと思います。そうなりますと、日本も間違いなくいろいろな意味で中国を含めたアジアとかかわっていくわけでしょうから、そういう意味では大阪の役割は今まで以上に大きくなっていくと思います。

日本のお客様である物流企業さんにお邪魔しますと、必ず中国の話になりますね。日本国内の話はもちろんですけれど、やはり企業として成長しようとすれば、中国のマーケットは見過ごすわけにはいかないんですね。ですから、日本の物流企業が日本のメーカーさんなどと一緒に中国に進出して、中国の物を日本に持ち帰る、あるいは中国の物を中国の国内で消費するための物流事業をやることは、今からどんどん出てくると思いますね。

Q大阪進出を考えている外国企業の皆さんへのメッセージをお願いします

もちろん経済規模でいえば東京を中心とした関東・首都圏と言われるところが圧倒的に大きいわけですが、あまりにも大きすぎるというところもあります。もし初めて進出されるのであれば、行政の対応とか、地域のコミュニティーという意味では大阪は非常に入りやすいところではないかなと思います。もともと商人の町というところがありますので、非常にフレンドリーですしね。そういう意味では、初めていらっしゃるのであれば大阪は非常に重要で、キー(鍵)となるマーケットになるのではないかなと思います。

プロロジス
代表者 山田 御酒
設立 1999年
事業内容 物流施設(倉庫・物流センター)の開発、所有及び運営管理
URL http://www.prologis.co.jp/