進出企業紹介

Interview

進出企業紹介

インタビュー

ゼブラ・ジャパン株式会社

大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー 2012.07.18
ゼブラ・ジャパン株式会社
大阪は日本進出のエントリーポイント
ゼブラ・ジャパン株式会社
ZEBRA A/S 設立者兼CEO
レナート・ライボシツ 氏
Q明日のプレオープンについて今のお気持ちをお聞かせ下さい。

大変ワクワクしています。このプロジェクトは1年以上かけて準備してきましたから。はじめは、まず取締役のクラウスが日本にきたのは震災直後だったのですが、予定通り進出を決めました。それからずっと準備を重ねてきましたので、どんな反響があるかとても楽しみです。

Qタイガーの沿革と展望について教えてください。

私がタイガーを設立したのが1995年です。基本的に1ドル均一ショップとしてスタートし、徐々に価格帯を増やしました。始めは既製品を仕入れていましたが、現在ではオリジナル商品のみを扱っていて、専属デザイナーがいます。タイガーは現在、ヨーロッパに合計150店舗あり、このうちデンマークにあるのが60店舗で、それ以外ではヨーロッパ16カ国に90店舗あります。ヨーロッパでは今後3年半のうちに721店舗にしたいと思っています。現在、ヨーロッパでは5日に1店のスピードで拡大中です。アジア市場も開拓していきたいと思っているのですが、やはりまず成功例から始めたいので、この度は試験的な出店なのです。この試験期間がどのくらいになるかはまだわかりませんが、うまくいけば日本のパートナーと協力して多くの店舗を日本国内にオープンしていきたいと思っています。

Qタイガーのコンセプトについて教えてください。

2つのポイントがあると思います。まずは商品、そして設定、つまりショップの作り方ですね。タイガーの商品はデンマーク人デザイナーによるオリジナル商品です。品揃えもデンマークらしいものになっています。この点には変更を加えませんでした。デンマークらしい品揃えをそのまま日本に持ち込んで、本物のデンマークスタイルコンセプトを打ち出したいと思っていました。この点は非常に重視しました。それからショップの設定ですが、日本では店舗に入るのに特定の道筋はありませんね。どんな進み方をしてもよいのですが、私たちはそういう設定にはしませんでした。いわば迷路のような設定にして、お客様にはそれに沿って進んでいただくのです。この迷路という概念は日本にはないものだと思います。また、ショップ内のディスプレイ棚は木製、ライトウッドを使っています。こうした材料でのレイアウトと品揃えがデンマークらしさを醸(かも)し出していると思います。

Qなぜアジア1号店に日本を選んだのですか?

日本は世界で最もレベルの高い小売市場ではないかと思っています。本当にレベルが高いと思います。このような市場への進出を決めたのには2つの理由がありました。1つ目は、日本が望む商品をタイガーが提供できるということ。2つ目は、この市場から多くの事を学び取れることです。この学びをヨーロッパでも活かしたいと思っています。

Qその中でもなぜ大阪を選んだのですか?

東京も考えたのですが、東京は多くのエリアに別れていて、もう少し規模の小さい、大阪のような都市の方がタイガーのコンセプトを試す市場として好いと思ったのです。ここでは東京よりずっと速く全ての大阪のみなさんと出会うことができます。大阪は実に素晴しい都市です。私は大阪が好きで、何度も訪れています。私たちは今回の試験的出店で、大阪のお客様に親しんでいただける存在になりたいと思っています。また一方で、関西は非常に広く、購買力はカナダ全土よりも大きいと思います。このようにマーケットが非常に大きいのに、お客様が近い!これが大阪を選んだ理由です。実際、大阪でのタイガーへの関心の高さは驚異的です。これには私たちも本当に驚いています。もし東京に進出していたら誰にも気付いてもらえなかったでしょう。

Qでは、大阪は日本進出のエントリーポイントとして見ていらっしゃるということですね?

そうです。

Q行政からのサポートはどうでしたか?

いろいろと助けていただきました。そういったサポートなしでは事は運ばなかったと思います。O-BICからも本当にいろいろと助けていただきました。それから、JETRO大阪はじめ、いろいろな機関から期待以上の多大なサポートがありました。本当に感謝しています。ありがとうございます。

Q日本とデンマークの大きな文化的差異は何だと思われますか?

大きく違うのは、西欧では個人というものを非常に重視しますが、日本では「和」が重視されています。この点が非常に違う部分だと思います。全体的な考え方が、ヨーロッパでは「私」であり、「私」が何を表現したいかということ、そして個性的であることが重要なのです。日本にあるのは、もっと農耕的な文化で、他の人と似たような生き方を選ぶのです。ところが、ヨーロッパでは他の人と全く違う生き方をすることが良しとされています。これが最も大きな違いであり、また非常に興味深い点でもあります。 世界は非常に速いスピードで変化しています。グローバル化が進展する中で、日本文化、デンマーク文化、他国の文化が出会った時にかなり面白いことが起こると思います。ということで、今まさにそれが起こりつつあり、私たちはその真っ只中にいるのです。タイガーが日本に来たことも、このながれの一環だと思います。

Q成功の秘訣を教えていただけますか?

秘訣の中でも重要なのは、柔軟性をもつことです。タイガーでは商品を絶えず変えていきます。タイガーショップに足を踏み入れるとホビー用品があり、キッチン用品があり、おもちゃがあって、文具があります。本当にたくさんの種類の商品を見つけられます。他と差別化を図れる商品があればその分野に特化します。違いを作れないなら手は出しません。この柔軟性が私たちにとって非常に重要なものです。2つ目は、何事にも強い関心を持つということだと思います。無関心は敵です。私たちは無関心ということが嫌いなのです。人には自分がしていることに関心を持って欲しいと思っています。実際に、私たちは購買チームはじめスタッフ全員が自分の行動にきちんと関心を持っています。自分達が感じることにはちゃんと関心を持つことで物事の背景や理由について常に考えるようにしています。他人がやっているのと同じようにはしません。私は、どのようなコンセプトでも2つのことが必要だと思います。「個性的である」こと、そして「必要である」ことです。個性的でなければ価格でしか競争できません。また、いくら個性的でも必要がなければ誰も手に取りません。個性的であり、同時に、お客様にとって必要であるものでなければならないのです。

ゼブラ・ジャパン株式会社
設立 1995年
本拠地 デンマーク コペンハーゲン
親会社 ZEBRA A/S
事業内容 北欧デザインの雑貨チェーン店
店舗数 ヨーロッパを中心に世界17か国150店舗(2012.07現在)
日本への進出について 2011.07   日本法人「ゼブラ・ジャパン株式会社」を設立
2012.07.21 心斎橋にタイガーのアジア1号店としてにオープン
URL http://www.flyingtiger.jp/