Qトコンタップについてご紹介ください。

トコンタップは1956年、国営の独占商社として設立されました。2005年から国の方針で株式会社になりました。
貿易事業から開始し、2005年から4つの柱に事業を広げてきました。1つは貿易事業で、主に農産物、衣料品を輸出入しています。2番目は生産事業で縫製工場も所有しています。3番目の事業は人材派遣。4番目は不動産や新規プロジェクトへの投資事業です。
1年間の貿易総額の7割は日本市場が占めます。その他、ヨーロッパ、アジア諸国、アメリカ等です。

Qフオン社長ご自身について自己紹介をお願いします。

私はハノイ貿易大学で5年間、経済や貿易を勉強しながら日本語も学びました。1981年に大学を卒業した後、商工省傘下のゼネラルミクス社に派遣されました。ゼネラルミクスはベトナムの法定独占商社で、主に貿易加工の仕事をした後、同社副総裁に任命されました。2001年からは、商工省の指示で、ゼネラルミクス社からトコンタップの社長として派遣されました。

Q大阪を選んだ理由をお聞かせください。

大阪を選んだのには3つの理由があります。1つは、大阪がホーチミンと似ている部分が多い点です。どちらも製造企業が集積する大都市で経済の中心地です。
2つ目の理由は、大阪近辺に当社の貿易関係や人材派遣のお客様が多いことです。例えば、京都には着物関係の顧客、奈良には健康食品メーカー様、その他にもたくさんの実習生を関西近辺に派遣しています。
ベトナムからたくさんの実習生を派遣している今、ベトナムからのアクセスも良い大阪は今後の実習生管理に適しており、日本企業とも提携しやすいと考えました。

Q大阪でのビジネスにどのような展望を持っていますか？

現在までの日越貿易総額は約2兆円にのぼります。ベトナムには良質の農産物がありますが、ベトナム製品の日本への輸出は主に雑貨です。ベトナム産の農産物は日本の食品基準を満たさないものが多く限定的ですが、近い将来、コメ、野菜、フルーツなど多くの農産物が日本に輸出されることを期待しています。
食品の安全性は重要です。ベトナムで使用されている農薬の多くは、日本の基準を満たしていませんが、改善はされていますし、たくさんの日本企業がベトナムで衛生的な野菜の栽培を行っているため、今後、日本への輸出に繋がっていく可能性もあります。

Q日本での実習希望者の現況は？

これまでの派遣実績は約3,000人です。現在、日本全国の実習生の数は約900人。御客様からは、ベトナム人実習生は真面目で日本語も上達していると高く評価していただいております。
現在の様々な派遣先の中で一番多いのは技術が求められ仕事、例えば縫製、建設、農業、溶接等です。
現在、ベトナム国内でも求人はたくさんありますが、国同士の結びつきが強くなるに従い、日本の仕事のやり方を学びたいというベトナムの若者は増えています。
例えば、日本企業からの求人情報を入手すると、ベトナムの各専門学校や同業種の企業から、募集をかけ、応募者を募ります。
来日する4か月から5か月ぐらい前に日本語教育を行います。この間に、御客様も日本語学習状況を確認いただき、我々も適切に日本語レベルを確認します。

Qベトナムに帰国後は、研修生に対してどのようなフォローアップを行っているのでしょうか？

実習生は帰国時に面談を数回行い、その後も連絡を取り続けています。ベトナムに進出する日系企業様にそういった実習生を紹介しています。
例えば現在、多くの日本の中小建設企業がベトナムに投資を行っており、日本式の方法で事業が展開されています。特に床の施工法など日本式の技術を学んだ実習生が帰国後にベトナムで活かす機会は増えるでしょう。

Q受入先の日本企業にはどのようなことを期待されていますか？

受け入れ先企業側との交流をもっと図り、彼らのニーズを探りたいです。何か足りない部分があれば、事前に実習生の教育に反映させます。実習生が、仕事の内容や条件についてより多くの情報を把握することで来日後の生活や仕事に早く慣れる事が出来ます。
また、受入先の日本企業の方には研修や実務、人間関係などで、実習生にとって貴重な経験となるよう、3年間ご協力頂きたく思います。

Q大阪進出を考えている外国企業にメッセージをお願いします。

個人的に日本との関係は長く、これまでお会いした日本人、特に大阪の方は優しくとても熱心です。日本で学ぶことはたくさんありますので、是非大阪でそれを体験してください。
また、景色は綺麗で、料理も美味しいですね。

ベトナム語はこちらをご覧ください。(PDF:92.4KB)