進出企業紹介
インタビュー
WeWork Japan 合同会社
大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー 2019.10.8
西日本ゼネラルマネージャー
QWeWorkとWeWork Japanについて紹介してください。
WeWorkは多彩なサービスを提供するコワーキングスペースですが、次の3つの柱が自慢です。
1番目の利点はフレキシビリティ、2番目はアクセシビリティ、3番目はコミュニティです。
まずフレキシビリティについて言えば、我が社は床面積で見て多くのスペースを提供しています。そのため、大企業も中小企業も事業の縮小・拡大にそって対応できる。基本的に建物という「環境」がテナントや会員と一緒に成長していく感じです。
また、契約はとてもフレキシブルで10年あるいは5年の一般的なリース契約はしません。
例えば3か月からの契約ができます。その意味で、非常にフレキシブルです。アクセシビリティの点から言うと、WeWorkのメンバーなら大阪の難波に拠点を置きながら、ニューヨーク、ロンドン、北京、どこの拠点でも使用できます。WeWorkが世界中に存在することが大きな強みになっています。
最後にコミュニティですが、大阪が持っている共同体意識に通じる点が多々あります。私たちも多くのイベントを開いて、メンバー同士が交流できるよう働きかけています。WeWorkはこの3つの柱をメンバーに提供しており、これこそ我が社が世界中で成長し続けている理由です。
WeWorkは今から約9年前に創業したので、今年で10年目になるでしょう。日本では最初に東京でスタートしました。2018年2月にアークヒルズにオープンしたオフィスです。同じ年の12月にはここ難波に大阪で最初のオフィスをオープンしました。その後2つのビルが加わり、今後もこの地域でオフィスを増やしていく予定です。
Qご自身について自己紹介をお願いします。
スチュワート・テューダー、WeWork西日本のジェネラル・マネージャーです。東京出身で、実は、生まれも育ちも東京なんです。高校と大学はアメリカです。WeWorkに入社する前はオレゴン州にあるNike本社に勤めていましたが、非常にエキサイティングなチャンスをオファーして頂き、来日しました。そのオファーというのが、西日本でWeWorkを拡大するという業務でした。Nikeでもこの地域を担当した経験が少しありましたが、今回は、大阪を拠点に西日本を統括するという仕事でしたから、実際に大阪にやって来ました。非常に素晴らしいチャンスだったので、引き受けようと思いました。
Q西日本初の拠点に大阪を選んだ理由は何ですか?大阪、関西の魅力は?
大阪は可能性が一杯詰まった都市だと思います。多くのチャンスがあります。それだけのチャンスがあるのは大阪の密度が非常に濃いからです。例えば、都市別GDPでトップ10に入るし、人口でもトップ10内です。京都と神戸という2大都市にも近いですね。地理的にどのような企業にとっても素晴らしい中心的な位置にあります。加えて大阪市もIR誘致やG20サミットなど努力を続けています。やがて万博も開催されます。大阪はメジャーな国際都市になる可能性が十分あり、その点がきわめて魅力的です。大阪市とは密接に連携してきましたし、市もこれまで非常に協力的でした。このような大規模な都市の成長に関わることができて光栄です。WeWorkも大阪も成長を続けています。本当にわくわくしますね。
Q大阪へ進出されて1年ですが、これまでの活動や今後の計画についてお聞かせください。
これまで私たちは驚異的なペースで成長してきました。難波から始まり、次々にオフィススペースをオープンしてきました。確か11か月間だと思いますが、この地域でさらに3つのオフィスを開設できました。私たちの最優先事項は、大阪を機能させる原動力に焦点を当てることでした。それは御堂筋です。最初に、ダウンタウンから中心地へと拡大していく計画を立てました。大阪の「ダウンタウン」は難波だと思っています。そこから始めてもう1つのビジネスセンターである梅田へと進出しました。短期間でこれだけの拠点をオープンできたことに非常に満足しています。このビルだけでも20階建てで、2900席あります。大阪にとてつもない自信があり、今後の発展に大きな期待を寄せているからこそ、これだけの投資ができたのです。まもなく梅田にもワークスペースをオープンします。まさに計画通りに進んでいます。市場にWeWorkのブランドを浸透させる戦略は成功してきましたが、それは、大阪のメンバー様がWeWorkを信頼してくれたからに他なりません。
Q「御堂筋フロンティア」「リンクス梅田」の2拠点は大阪市の助成金も受けていますね。自治体からの支援についてはどう思われますか。
本当に素晴らしいことです。自治体関係者とは数回お会いし、助成金の目的、どのような企業が助成金の支援対象となるか説明を受けました。また、市が説明してくれた内容はまさに我々がしようとしていることと一致しました。決め手は、1つの地域、あるいは1つの都市で、WeWorkが及ぼし得るプラスの影響、波及効果を重視することでした。その点で、我が社と大阪市の考えが一致していました。大阪市は、WeWorkのコンセプトが成し得る可能性や、大阪にWeWorkが存在することが及ぼす影響について非常に魅力を感じたようです。その意味で、これまでの大阪市との密接な協力関係は大きな成果でした。一方、私たちは大阪イノベーションハブとも協力してきました。私たちが大阪市から支援を受けるように、私たちも、イベントやスペースの形で、あるいはピッチコンテストに参加することで、成長途上の企業や、スタートアップ企業を支援したいと思っています。すべてが協力で成り立っています。
Q関西での生活はいかがですか?
まず、私は神戸に住んで大阪で働く生活を楽しんでいます。まさか関西地方に住むとは思ってもいませんでしたが、今はここでの暮らしを満喫していますよ。関西と東京は似てはいますが、基本的な違いは、環境あるいはコミュニティの面で、関西の方がはるかに人と人とのつながりが強いと思います。長く住めば住むほど、この土地の人と話すようになります。人の温かさも感じるようになります。一般的に、皆さん、非常に礼儀正しく、とても正直で、信じられないほどやさしい。その点は、ビジネスに携わる私だけでなく、家族にとっても有難いですね。私には真似できませんが、息子は関西弁をしゃべります。これからどんな風に彼とコミュニケーションをとっていくのか興味深いですね。地理的な面から見たもう1つの大きな違いは、東京は巨大都市だという点です。東京にいると、あまりにも大きいのでそこから出ることが難しい。東京は日本の他の地域から切り離されている感じがします。大阪だと、東京にも西日本のどの都市にも、すべての都市に簡単に行けます。その上、関西は、日本の文化の中心です。関西に住むことは、ビジネスだけでなく、文化の面でも、日本を再認識する上で大きな利点があります。東京という視点から見る日本と、大阪や他の地域の視点から見る日本は全く違います。両面から見られたのは、私にとってこの上ない幸運でした。
Q大阪の人々やコミュニティにみられる特徴はありますか?
日本全国、多くの拠点を開設してきましたが、大阪で特に顕著なのは、コミュニティが早く結束することです。通常、何週間も、何か月もかかりますが、大阪は例外です。他の地域に比べ、大阪の場合、私たちがアテンドする会員の数、毎週のイベントの数が非常に多くなっています。毎週平均して4つのイベントを開催しています。今後もイベントの予定が詰まっていることからも、イベントが大阪の文化に合っていることが分かります。きっとすべてに対してフレンドリーで、温かい大阪の人々の気質に依るところが大きいのでしょう。他の拠点では1つのイベントに1つのスクリーンだけを使うのですが、この拠点では、3つのスクリーンを使っています。3つのイベントを同時進行させることも可能ですが、それでも足りないくらいです。O-BICがWeWorkで行ったイベントの時のように、さらに大きな場所が必要になります。皆さんとても熱心にイベントに参加していらっしゃいますし、イベントの主導や主催にも積極的です。WeWorkと大阪は文化的にとても相性が良いと感じています。
Q大阪進出を考えている外国企業にメッセージをお願いします。
皆さんには大阪を検討するようお勧めします。これまで大阪には観光客に優しい土地という固定されたイメージがありました。それも正しいですが、歴史的に見ると大阪は起業家精神を育む土地なんです。振り返れば、パナソニックや、カップヌードルの日清食品などの大企業を輩出していますし、少し行けば、京都には任天堂、神戸にはアシックスがあります。有名ブランドがたくさんあるんです。日本の多くの大企業が、東京に本社があっても、実は大阪周辺で創業されています。それは大阪の起業家精神に大いに関係があります。
大阪には素晴らしい表現があります。話す相手に、「儲かりまっか」つまり、「今日は儲かりましたか」と聞くのです。このお金儲け、商売の精神こそ今も昔も大阪の神髄なのです。
その点を踏まえて、今実際にここで発展しつつある新興企業の数を考えてください。2016年のある調査では、大阪は東京よりも多かったはずですし、今もそれは続いています。過去2年で大阪の商業地価は2倍になりました。大阪には大きな勢いがあります。私はその一部であることが非常に嬉しいですし、皆さんも私と一緒に大阪で働くことをお勧めします。
WeWork Japan 合同会社 | |
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設立 | 2018年 |
事業内容 | コワーキング スペース サービス |
URL | https://www.wework.com/ja-JP/buildings/midosuji-frontier--osaka |