設立の手続き

Starting Up Your Business in Osaka

大阪でのスタートアップ:始めに

在留資格

1. 短期滞在・医療滞在査証

1-(1). 短期滞在査証

事務所の選定や職員の採用など、事務所または支店の開設・日本法人設立の準備作業を日本において行うためには、日本の在外公館にて短期滞在査証を取得した上で、上陸許可を得て入国します。日本国が一般査証免除措置を実施している諸国・地域人は、「短期滞在」に該当する場合、査証を必要としませんが、それぞれの措置に定める期間を超えての滞在は適用外となりますのでご留意下さい。
上陸許可の際に付与される在留期間は次の通りです。

《ビザ免除国・地域》
  • インドネシア及びタイ:15日
  • ブルネイ:14日
  • アラブ首長国連邦:30日
  • その他の国・地域:90日
《ビザが必要な出身国・地域》
入国目的や審査結果により、15日、30日、または90日のいずれかが決定されます。

なお、「短期滞在」での、日本における就労は認められていません。事務所・支店・日本法人で継続的に就労活動するにあたり、速やかに在留資格取得の申請手続きを行ってください。
(短期間の滞在であっても収入を伴う事業を運営し、又は報酬を得る活動は、「短期滞在」に該当しません。)

1-(2). 短期数次査証

商用目的(例えば、業務出張)等で、国営・公営企業、株式上場企業の常勤者など一定の基準に相当する場合に、短期数次査証を在外の公館(日本総領事館等)で、申請することができます。
日本における滞在期間および有効期間は出身国・地域によって異なります。ただし、この査証では、日本国内において収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動を行うことは、認められません。
上陸許可の際に付与される在留期間は、入国目的や審査結果により、15日、30日または90日のいずれかが決定されます。

1-(3). 医療滞在査証

医療滞在査証とは、日本において治療等を受けることを目的として訪日する外国人患者等(人間ドックの受診者等を含む)及び、同伴者に対し発給されるものです。滞在期間は90日以内、6カ月又は1年です。
外国人患者等の病態等を踏まえて決定されます。
ただし、1回の滞在期間が90日を超える場合は入院が前提となります。外国人患者等は、法務省出入国在留管理局で在留資格認定証明書を取得しなければなりませんので、注意が必要です。
なお、医療滞在査証の有効期間は、必要に応じ3年間です。

2. 在留資格の種類

日本にて就労等の滞在をする場合は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」と表記する)にて定められた、29カテゴリー(36種類)の在留資格の中から、行おうとする活動が該当する在留資格を取得しなければなりません。

【定められた範囲で就労が認められる在留資格 27種類】
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職(1号イ、1号ロ、1号ハ、2号)、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能(1号、2号)、技能実習(1号イ、1号ロ、2号イ、2号ロ)、特定活動(ワーキングホリデー等)
[※高度専門職1号イ、1号ロ、1号ハ及び2号、さらに技能実習1号イ、1号ロ、2号イ及び2号ロ、特定技能1号、2号をそれぞれ1種類として数えることとする。]

【原則として就労が認められない在留資格 5種類】
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在

【就労活動に制限がない在留資格 4種類】
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

 

在留資格一覧表(出入国管理及び難民認定法 別表第一、別表第二)

別表第一

[一]
在留資格 本邦において行うことができる活動
外交 日本国政府が接受する外国政府の外交使節団若しくは領事機関の構成員、条約若しくは国際慣行により外交使節と同様の特権及び免除を受ける者又はこれらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動
公用 日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動(この表の外交の項の下欄に掲げる活動を除く。)
教授 本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究、研究の指導又は教育をする活動
芸術 収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動(二の表の興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)
宗教 外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動
報道 外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動
[二]
在留資格 本邦において行うことができる活動
高度専門職 一 高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって、我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの
イ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動
ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動
ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動
二 前号に掲げる活動を行った者であって、その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動
イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導又は教育をする活動
ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動
ハ 本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動
ニ イからハまでのいずれかの活動と併せて行う一の表の教授の項から報道の項までの下欄に掲げる活動又はこの表の法律・会計業務の項、医療の項、教育の項、技術・人文知識・国際業務の項、介護の項、興行の項若しくは技能の項の下欄若しくは特定技能の項の下欄第二号に掲げる活動(イからハまでのいずれかに該当する活動を除く。)
経営・管理 本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)
法律・会計業務 外国法事務弁護士、外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動
医療 医師、歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動
研究 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動(一の表の教授の項の下欄に掲げる活動を除く。)
教育 本邦の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動
技術・人文知識・国際業務 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項、芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで、企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)
企業内転勤 本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動
興行 演劇、演芸、演奏、スポ―ツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(この表の経営・管理の項の下欄に掲げる活動を除く。)
介護 本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動
技能 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動
特定技能 一 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約(第二条の五第一項から第四項までの規定に適合するものに限る。次号において同じ。)に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であつて法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動
二 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であつて法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動
技能実習 一 次のイ又はロのいずれかに該当する活動
イ 技能実習法第八条第一項の認定(技能実習法第十一条第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)を受けた技能実習法第八条第一項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第二項第一号に規定する第一号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて、講習を受け、及び技能、技術又は知識(以下「技能等」という。)に係る業務に従事する活動
ロ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第四項第一号に規定する第一号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて、講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動
二 次のイ又はロのいずれかに該当する活動
イ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第二項第二号に規定する第二号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動
ロ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第四項第二号に規定する第二号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動
三 次のイ又はロのいずれかに該当する活動
イ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第二項第三号に規定する第三号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動
ロ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第四項第三号に規定する第三号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動
備考 法務大臣は、特定技能の項の下欄の法務省令を定めようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議するものとする。
[三]
在留資格 本邦において行うことができる活動
文化活動 収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動又は我が国特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動(四の表の留学の項から研修の項までの下欄に掲げる活動を除く。)
短期滞在 本邦に短期間滞在して行う観光、保養、スポ―ツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動
[四]
在留資格 本邦において行うことができる活動
留学 本邦の大学、高等専門学校、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部、中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部、小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部、専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動
研修 本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動(二の表の技能実習の項の下欄第一号及びこの表の留学の項及び就学の項の下欄に掲げる活動を除く。)
家族滞在 一の表、二の表又は三の表の上欄の在留資格(外交、公用、特定技能(二の表の特定技能の項の下欄第一号に係るものに限る。)、技能実習及び短期滞在を除く。)をもつて在留する者又はこの表の留学の在留資格をもつて在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動
[五]
在留資格 本邦において行うことができる活動
特定活動

法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動

別表第二
在留資格 本邦において有する身分又は地位
永住者 法務大臣が永住を認める者
日本人の配偶者等 日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者
永住者の配偶者等 永住者の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者
定住者 法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者

行おうとする活動や条件により、該当する在留資格は異なり、それぞれのケースによって必要書類等も異なりますので、詳しくは行政書士等の専門家にご相談されることをお勧めします。

3. 主な在留資格

以下4種類の就労を目的とする、主な在留資格の基準及び提出資料をご説明します。

(1) 経営・管理
<基準>
事業は、適正に行われるもので、かつ、安定性及び継続性の認められるものでなければなりません。
  • 事業所として使用する施設が確保されていること
  • 経営又は管理に従事する者以外に二人以上の常勤職員を雇用、もしくは、資本金の額又は出費金の総額が500万円以上であること
    ※常勤職員は日本国籍を有するもの・永住者・日本人もしくは永住者の配偶者等・定住者であること
  • (管理者の場合)
    事業の経営又は管理について三年以上の経験を有し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
<在留期間>
  • 5年、3年、1年、4月又は3月
<提出資料>
  • 事業内容を明らかにする資料
    • 商業・法人登記簿謄本(発行後3ヶ月以内)<法人の登記が完了していないときは、定款等法人を設立しようとしているということを明らかにする書類の写し>
    • 直近の損益計算書の写し(新規事業の場合は事業計画書)
    • 案内書 等
  • 職員数や賃金の支払いを明らかにする資料
    • 雇用契約書の写し又は賃金台帳の写し
    • 住民票の写し
    • 雇用保険料納付書控等の写し 等
  • 事業所の内容を明らかにする資料
    • 案内書
    • 賃貸借契約書の写し 等
  • 活動内容、期間、地位及び報酬を証するもの
    • 招へい機関との業務委任契約書の写し 等
      (管理者の場合)
    • 経営又は管理について三年以上の経験を有する職歴を証する文書
<会社設立時に必要となる払込み金額に関する注意事項>
  • 会社設立時に必要となる払込金額は最低1円です。有限責任事業組合は最低2人の組合員が必要ですので最低2円が必要となります。支店の設立時に必要となる払込金額はありません。
  • ただし、外国人が「経営・管理」の在留資格を取得する場合は、常勤の職員を2名以上雇用しているか、資本金の額又は出資金の総額として500万円以上の事業規模である必要があります。
(2) 技術・人文知識・国際業務
<基準>
  • 従事しようとする業務に必要な知識等に係わる科目を専攻して大学を卒業、若しくは、従事しようとする業務について10年以上の実務経験を有すること  
    (翻訳・通訳・語学の指導・海外取引業務等に従事する場合は従事しようとする業務について3年以上の実務経験を有すること。大学を卒業した者が翻訳・通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。)
  • 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
<在留期間>
  • 5年、3年、1年又は3月
<提出資料>
  • 招へい機関の概要を明らかにする資料
    • 商業・法人登記簿謄本(発行後3ヶ月以内)
    • 直近の損益計算書の写し(新規事業の場合は事業計画書)
    • 案内書 等
  • 卒業証明書又は活動に係る科目を専攻した期間に係る証明書及び職歴を証する 文書
    • 卒業証明書又は卒業証書の写し
    • 在職証明書
    • 申請人の履歴書 等
  • 活動内容、期間、地位及び報酬を証するもの
    • 招へい機関との雇用契約書の写し 等
(3) 企業内転勤
<基準>
外国の事業所から本邦の事業所に一定期間転勤して行う「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に対応する活動
  • 転勤の直前に外国にある本店、支店その他の事業所において1年以上継続して「技術・人文知識・国際業務」に対応する業務に従事していること
  • 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
<在留期間>
  • 5年、3年、1年又は3月
<提出書類>
  • 外国の事業所と本邦の事業所の関係を示すもの
    • 事業の開始届け出
    • 案内書 等
  • 本邦の事業所の概要を明らかにする資料
    • 商業・法人登記簿謄本(発行後3ヶ月以内)
    • 直近の損益計算書の写し(新規事業の場合は、事業計画書)
    • 案内書 等
  • 外国の事業所における職務内容及び勤務期間を証する文書
    • 外国の事務所からの在職証明書等で、転勤前一年間に従事した職務内容及び勤務期間を証するもの
  • 外国の事業所の概要を明らかにする資料
    • 商業・法人登記簿謄本(発行後3ヶ月以内)
    • 直近の損益計算書の写し(新規事業の場合は、事業計画書)
    • 案内書 等
  • 活動の内容、期間、地位及び報酬を証するもの
    • 転勤命令書の写し 等
  • 卒業証明書及び経歴を証する文書
    • 卒業証明書又は卒業証書の写し
    • 申請人の履歴書 等
(4) 技能
<基準>
  • 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
  • 産業上の特殊な分野に属するいわゆる熟練労働者としての活動
    • 例)料理の調理又は食品の製造に係る技能で外国において考案され我が国において特殊なものについて10年以上の実務経験を有するもので、当該技能を要する業務に従事するもの。
      (但し、日本国とタイ王国との間の経済連携協定(EPA)等の条約協定により、5年以上の実務経験を有するものについて当該技能を要する業務に従事する場合に適用される場合がある。)
<在留期間>
  • 5年、3年、1年又は3月
<提出書類>
  • 招へい期間の概要を明らかにする資料
    • 商業・法人登記簿謄本(発行後3ヶ月以内)
    • 直近の損益計算書の写し(新規事業の場合は事業計画書)
    • 案内書
    • 外国人社員リスト 等
  • 経歴書並びに活動に係る経歴及び資格を証する公的機関が発行した文書
    • 申請人の履歴書
    • 公的機関が発行する資格証明書がある場合は、当該証明書の写し
    • 所属機関からの在職証明書で、関連する業務に従事した期間を証するもの 等
  • 活動の内容、期間、地位及び報酬を証するもの
    • 招へい期間との雇用契約書の写し 等

4. 在留資格認定証明書

入管法は、外国人が「短期滞在」以外の在留資格で日本国に上陸しようとする場合、申請に基づき、法務大臣があらかじめ在留資格に関する上陸条件の適合性を審査し、その外国人の行おうとする活動の在留資格該当性を証明する文書を発給できることを定めています。この文書を在留資格認定証明書といいます。
在留資格認定証明書を交付された外国人は、その在留資格認定証明書を日本の在外公館にて提示し、査証の発給を受けた上で、上陸許可を受けて入国します。在留資格認定証明書を所持している場合には、在留資格該当性等の上陸条件適合性の立証を容易に行うことができるため、査証及び入国審査手続きのための審査時間が短縮される利点があります。
在留資格証明書交付申請は居住予定地、受け入れ機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署にて行います。申請書の提出は、受け入れ機関の職員その他の法務省令で定める代理人の他、地方入国管理局長に届け出た申請取次ができる行政書士等が行うことが可能です。

在留資格認定証明書交付申請の流れ
在留資格認定証明書交付申請の流れ

5. 高度人材に対する優遇制度

現行の外国人受入れの範囲内で,経済成長や新たな需要と雇用の創造に資することが期待される高度な能力や資質を有する外国人(=高度人材)の受入れを促進するため、高度人材の方を対象とした新たな在留資格「高度専門職1号」が設けられ、またこの在留資格をもって一定期間在留した方を対象とした、活動制限を大幅に緩和し在留期間が無制限の在留資格「高度専門職2号」が設けられました。(「入管法の一部を改正する法律」(平成26年法律第74号))

高度外国人材に認定された外国人には,次の出入国管理上の優遇措置が認められます。

「高度専門職1号」の場合
  • 1 複合的な在留活動の許容
    通常,外国人は,許可された1つの在留資格で認められている活動しかできませんが,高度外国人材は,例えば,大学での研究活動と併せて関連する事業を経営する活動を行うなど複数の在留資格にまたがるような活動を行うことができます。
  • 2 在留期間「5年」の付与
    高度外国人材に対しては,法律上の最長の在留期間である「5年」が一律に付与されます。
  • 3 在留歴に係る永住許可要件の緩和
    永住許可を受けるためには,原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要ですが,高度外国人材としての活動を引き続き3年間行っている場合や,高度外国人材の中でも特に高度と認められる方(80点以上の方)については,高度外国人材としての活動を引き続き1年間行っている場合に永住許可の対象となります。
  • 4 配偶者の就労
    配偶者としての在留資格をもって在留する外国人が,在留資格「教育」,「技術・人文知識・国際業務」などに該当する活動を行おうとする場合には,学歴・職歴などの一定の要件を満たし,これらの在留資格を取得する必要がありますが,高度外国人材の配偶者の場合は,学歴・職歴などの要件を満たさない場合でも,これらの在留資格に該当する活動を行うことができます。
  • 5 一定の条件の下での親の帯同の許容
    現行制度では,就労を目的とする在留資格で在留する外国人の親の受入れは認められませんが,
    ①高度外国人材又はその配偶者の7歳未満の子(養子を含みます。)を養育する場合②高度外国人材の妊娠中の配偶者又は妊娠中の高度外国人材本人の介助等を行う場合 については,一定の要件の下で,高度外国人材又はその配偶者の親(養親を含みます。)の入国・在留が認められます。
  • 6 一定の条件の下での家事使用人の帯同の許容
    外国人の家事使用人の雇用は,在留資格「経営・管理」,「法律・会計業務」等で在留する一部の外国人に対してのみ認められるところ,高度外国人材については,一定の要件の下で,外国人の家事使用人を帯同することが認められます。
  • 7 入国・在留手続の優先処理
    高度外国人材に対する入国・在留審査は,優先的に早期処理が行われます。
    入国事前審査に係る申請については申請受理から10日以内を目途
    在留審査に係る申請については申請受理から5日以内を目途
「高度専門職2号」の場合
  • a 「高度専門職1号」で認められる活動のほか、その活動と併せて就労に関する在留資格で認められるほぼ全ての活動を行うことができます。
  • b 在留期間が「無期限」になります。
  • c 上記3~6までの優遇措置が受けられます。

6.新たな外国人材の受入れ制度

特定産業分野(14分野)において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れる制度として、在留資格「特定技能」が創設され、2019年4月1日からスタートしました。

1.在留資格「特定技能」には、特定技能1号と特定技能2号の2種類があります。
(1)特定技能1号:特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
  ・在留期間:1年、6カ月または4カ月ごとの更新、通算で上限5年まで
  ・技能水準:試験等で確認(技能実習2号を良好に終了した者は試験等免除)
  ・日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した者は試験等免除)
  ・家族の帯同:基本的に認められない
  ・受け入れ機関又は登録支援機関による支援の対象

(2)特定技能2号:特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
  ・在留期間:3年、1年又は6カ月ごとの更新
  ・技能水準:試験等で確認
  ・日本語能力水準:試験等での確認は不要
  ・家族の帯同:要件を満たせば可能(配偶者、子)
  ・受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外

2.特定産業分野には、次の14分野が指定されています。
  介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、
  建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、
  外食業(特定技能2号は、建設、造船・舶用工業のみ)

7. 外国人起業活動促進事業(通称:スタートアップビザ)

「外国人起業活動促進事業」は、外国人起業家の受入拡大と起業促進を目的に、経済産業省から管理支援計画について認定を受けた地方自治体(外国人起業促進実施団体)が実施するもので、2021年4月1日現在、認定を受けている地方自治体は大阪市を含む12の地方自治体です。

外国人が日本で事業の経営を行うには在留資格「経営・管理」を取得しなければなりません。その基準は次の通りです。

  • 事業所として使用する施設が確保されていること
  • 経営又は管理に従事する者以外に二人以上の常勤職員を雇用、もしくは、資本金の額又は出資金の総額が金500万円以上であること((3)-1経営・管理を参照)

しかしながら、本事業では、上記の基準を満たす前であっても、起業準備活動計画を提出した外国人起業家が1年以内に「経営・管理」の在留資格要件を満たす見込みであると外国人起業促進実施団体が判断した場合には、外国人起業促進実施団体が確認証明書を発行します。

この確認証明書と必要書類を出入国在留管理局に提出し、審査を受けることにより、最長1年間(6月後に更新が必要)の在留資格「特定活動」が付与され、外国人起業家は起業活動を行うことができます。

なお、各外国人起業促進実施団体によって、対象となる事業分野や必要書類等が異なりますので、詳しい要件や申請方法は、大阪市の外国人起業促進支援窓口にお問い合わせください。

【大阪市の外国人起業促進支援窓口】
住所:大阪市中央区本町1丁目4番5号 大阪産業創造館2階
電話:06-6264-9933
ウェブサイト:https://www.sansokan.jp/startupvisa/

8. 在留カードと外国人住民票

入管法上の在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人(以下「中長期在留者」)には在留カードの発行と外国人住民票の制度があります。

「中長期在留者」とは具体的に、次のⅰ)からⅵ)のいずれにもあてはまらない人です。

  1. 「3月」以下の在留期間が決定された人
  2. 「短期滞在」の在留資格が決定された人
  3. 「外交」又は「公用」の在留資格が決定された人
  4. ⅠからⅢの外国人に準じるものとして法務省令で定める人
  5. 特別永住者
  6. 在留資格を有しない人

01.在留カード
中長期在留者に対し、上陸許可や、在留資格の変更許可、在留期間の更新許可等在留に係る許可に伴って交付されます。在留カードには、顔写真のほか、氏名、国籍・地域、生年月日、性別、在留資格、在留期限、就労の可否などの情報が記載され、常時携帯の義務があります。

02.外国人住民票
在留カードの交付対象となる外国人は、住民基本台帳法に基づき、お住まいの市区町村で住民票が作成され、日本国民と同様、市区町村の窓口で住民票の写しの交付を受けることができます。
なお、在留カードの交付対象となる外国人は、来日後、住居地を定めた日から14日以内に市区町村の窓口にて住居地の届出を行う義務があります。

9. 再入国許可

付与されている在留期間または、出国後1年以内のどちらか短い期間内に再入国する場合は、出張・親族訪問等一時的な用務で日本国外に出国する際に、原則として再入国許可を必要としません。

10. 在留期間更新許可

  1. 現に付与されている在留資格のまま、現在の在留期間を超えて引き続き在留しようとする場合には、在留期間の満了する日以前(6か月以上の在留期間を有する者にあたっては在留期間の満了する3か月前から)に在留期間の更新許可申請を行わなければなりません。
  2. 在留期間の満了の日までに申請した場合において、申請に対する処分が在留期間の満了までに終了しない場合には、その外国人は、その在留期間の満了後も、処分がされるとき又は従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する日のいずれか早いときまで、引き続き当該在留資格をもって本邦に在留することができることとなります。

11. 在留資格変更許可

在留資格を有する外国人が在留目的を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合は、在留資格の変更許可申請を行わなければなりません。

在留資格変更・期間更新許可申請の流れ
在留資格変更・期間更新許可申請の流れ

12. 在留資格取得に係る試算例

書類 書類提出先 コスト
在留資格認定証明書交付申請書*1 出入国在留管理局/
法務省
無料
在留資格認定証明書用写真*2 600円
出入国在留管理局用返信郵便代金*3 710円
会社定款/組合契約書(写し可) コピー代
会社登記簿謄本*4 600円
事業計画書(本国で作成) 実費
履歴書・職務経歴書(原本還付)
大学卒業証明書等(原本還付)
雇用証明書(原本還付)
本社財務諸表(写し可)
本社定款(写し可)
本社登記簿謄本(写し可)
会社案内(写し可)
製品案内(写し可)
申請手続専門家委託費*5 180,000円
合計 181,910円

注:出入国在留管理局に提出する際には、外国語の書類は翻訳文が必要となります。提出資料等は事例により異なりますので専門家へご相談されることをお勧めします。

*1在留資格認定証明書交付申請書は、出入国在留管理局にて入手できます。また、外国籍の非居住者が支店、株式会社または合同会社の代表者、有限責任事業組合の組合員として日本に在留し業務を行うには在留資格認定証明書を取得する必要があります。
*2写真は4cm×3cmのサイズ1枚で計算しています。
*3審査結果連絡用に書留速達料金の切手を貼った返信用封筒を同封します。
*4会社登記簿謄本は1部\600です。
*5専門家委託費は依頼先により異なりますが、ここでは1人の申請にかかる標準金額です。

13. 関連リンク